今夜のメニューは、ミートソース・パスタとメロン(カンタロープ)のプロシュート巻き(Pちゃんの得意技)。赤ワインの用意も万端だ。
とはいえ、今年はなんだか気持ちが盛り上がらない。
司会もなんだかうざったいし、プレゼンターも受賞者(作品)を棒読みするだけで拍子抜けするし。
去年のように、日本の作品がノミネートされているわけでもなく。
やはり一番の見所は、世間が煽るせいもあるが「Best Picture」と「Best Director」の行方だ。
『Avatar』の感想は前に述べたが、一方の『The Hurt Locker』。この作品がまた、泥臭い。
“戦争”がテーマにあることは共通しているが、Avatarとはまったく逆路線を行く、「いつ何が起こるかわからないドキドキサスペンス感」が全体を包んでいる。
イラク戦争における爆弾処理班の任務をドキュメンタリータッチで描いた作品で、自らの命を顧みずに次々と仕掛けられた爆弾や地雷を処理していく兵士の姿
に身が凍りつく。
女性であるキャサリン・ビグロー監督がここまで骨太な“戦争もの”を描ききったことにも驚く。
2004年にイラク戦争が始まってから作られたいわゆる戦争もの映画は、反戦メッセージを色濃く出したものがほとんどだったが、この映画は戦場での日常を克明に追っているだけで監督からのダイレクトメッセージは前面に出てこない。
昨日までまとわりついていたイラク少年が、今日は爆弾を体に埋め込まれて発見される。
体中に時限爆弾をぐるぐる巻きにされて処理班に命乞いをするイランの一般市民の体が、次の瞬間には木っ端微塵に吹きとぶ。
こんなクレイジーな毎日が6年もたった今も繰り返されている、その“事実”に脱力してしまうのだ。
だから、見終わった感想はただひとこと、これにつきる。
「悲しいけど、これ戦争なのよね」
(by スレッガーさん : ガンダムより)
そしてオスカーの行方は作品賞、監督賞ともに『The Hurt Locker』がさらっていった。
ある意味、反戦メッセージを打ち出した『Avatar』ではなく、静かに事実を語った『The Hurt Locker』が勝利をおさめたわけだ。
わずか1500万ドルの予算で作られた映画が、3億ドルかけて贅を尽くした映画を凌駕する、これもオスカーの面白いところ。
「オスカー初の女性監督賞」という話題を狙ったのかもしれないが、やっぱりアカデミーはこういうのがお好き、というのが見え見えだ。
2008年に完成していたもののブッシュ政権下では配給先がみつからず、オバマ政権に交代してやっと日の目をみたという影のストーリー。
よりリアルに見せるために、あえて有名俳優を使わなかったというエピソード。
そんなものが3億ドルの超弩級映画を蹴散らし、6部門を総なめにしたというところにアカデミーの意図が感じられて面白い。
しかし。
個人的に『The Hurt Locker』はいい映画だとは思うが、こんなに総なめするほどグレイトだったかと問われるとちょっと疑問が残る。
話題性だけではなく、いい俳優のいい演技によるいいストーリードラマがBest Pictureに選ばれるアカデミー賞を、来年は期待しよう。
私の超オススメはこれ。
今年のオスカー長編アニメ賞、作曲賞を受賞。
ピクサー、万歳!
音楽がいいんだな~。